多焦点眼内レンズは老眼治療眼内レンズと呼ばれている

多焦点眼内レンズは
老眼治療眼内レンズ
と呼ばれている

多焦点眼内レンズは老眼治療眼内レンズと呼ばれている多焦点眼内レンズは、英語での呼称である「multifocal intraocular lenses」を日本語に訳したものです。従来はこの言い方で統一されていたのですが、近年、国際学会や医学論文では老視矯正眼内レンズ「presbyopia-correcting intraocular lenses」と呼ぶことが主流になってきました。この本では「老眼治療眼内レンズ」と「多焦点眼内レンズ」の両方を用いていますが、これらは同じものを意味していています。また、「老視」という言葉は一般的でなく、一般には「老眼」と呼ばれていますので、この本ではあえて老視という言葉を使わず、老眼治療眼内レンズと呼んでいます。

 

私は多焦点眼内レンズ老を使用した白内障手術を2008年から17年間行い、その症例数は5,000症例以上となりました。(2025年3月現在)

多焦点眼内レンズを用いた白内障手術では、白内障と同時に老眼も治療できます。したがって、私は多焦点眼内レンズを用いた老眼治療手術をたくさん行ってきた、とも言えます。

「多焦点眼内レンズ」から「老眼矯正眼内レンズ」に呼称が変わってきた理由は2つあります。

一つは、これを用いた白内障手術が、今や世界では白内障治療だけでなく、老眼治療を主たる目的に行われているためです。

すなわち、多焦点眼内レンズは開発された当初は、あくまで「単焦点」の眼内レンズに対する呼称として、「多焦点」であることが強調されるネーミングだったのですが、現在では白内障が進行していない症例に対しても、「老眼」の治療に用いられることが世界的に急増したことから、「老眼治療眼内レンズ」に呼称が改められたのです。現在はさまざまなタイプの多焦点眼内レンズがありますが、どれも遠くから中間、手元まで焦点を合わせ、メガネのいらない生活ができることを目指して設計されています。

 

「多焦点眼内レンズ」から「老眼治療眼内レンズ」に呼称が変わった二つ目の理由は、当初よりも、さまざまなタイプの老眼を矯正するためのレンズが開発されたことです。

最初の世代の多焦点眼内レンズは、遠くと手元の2つの距離に焦点を合わせるタイプのものでした。しかしその後、さまざまな機構を持った多焦点眼内レンズが開発され、中にははっきりとした焦点距離を持たないものもあり、焦点の数や距離のカテゴリーに分類することができなくなりました。そこで、老眼を治療する目的を持った眼内レンズをすべて「老眼治療眼内レンズ」というカテゴリーとして、老眼を治療することのできない単焦点眼内レンズと区別することになりました。

 

私は、今までにいくつかの多焦点眼内レンズについての医学研究を行ってきましたが、その中で多焦点眼内レンズのクラレオン・パンオプティクスを用いて行なった学術調査では、94.9%の症例でメガネが全く不要となりました。その結果を2024年のヨーロッパ白内障屈折矯正手術学会で発表しました。参考文献1)
このように、多焦点眼内レンズによる手術は、老眼治療として非常に確実性の高い治療であると言えます。

参考文献1)
One-year visual outcomes after bilateral implantation of trifocal IOLs made from a new hydrophobic acrylic material. K Yamazaki, et al. Presented Poster, 42nd Congress of the European Society Of Cataract & Refractive Surgeons

監修医師 山﨑 健一朗

院長紹介

院長資格

  • 日本眼科学会認定 眼科専門医
  • 日本で初めてフェムトセカンドレーザー白内障手術を開始
  • 2017年 著書「人生が変わる白内障手術」出版
  • 多焦点眼内レンズ5,753件(2008年9月から2025年12月)
  • レーザー白内障手術5,564件(2012年6月から2025年12月)
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