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白内障手術の流れを教えてください

local_offerよくわかる白内障

Q:今度白内障の手術を受けることになりました。簡単で安全な日帰り手術だと聞きましたが、目を手術するのだと考えると心配で緊張しています。どんな手術になるのかあらかじめ知っておきたいので、基本的な流れを教えてください

A:手術というと、ご本人だけでなくご家族も不安になられると思います。

しかし実際に白内障手術が終わると「こんなに楽だとは思わなかった」「こんなに簡単な手術でよく見えるようになるなら、もっと早く手術を受ければよかった」と言われる患者さんがほとんどです。

一般的な手術方法と流れをご紹介しますので、ご参考になさってください。


Q:痛みに弱く怖がりな方なのですが、大丈夫でしょうか?

A:白内障手術は局所麻酔をしてから手術を行うので、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。

麻酔が痛いのではないかと気にされる方もいらっしゃいますが、点眼麻酔なのでこちらも痛みは感じません。

目薬をさすだけなので負担はかかりませんし、注射のように傷をつけることもないので安心です。

意識ははっきりあるので、目の手術を受けているという感覚はあります。

ですが眼科手術用顕微鏡を使って手術するので、目のすぐ前にあるのは顕微鏡の光源です。

メスや針などが見えるということは一切ありません。


Q:麻酔後に切開するのですね?

A:麻酔の後、濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを入れるために角膜を切開します。

切開の幅は私のクリニックでは2.2~2.4mmという極小切開で行っています。

この傷口は縫わなくても自然に治ります。

また角膜は目の一番外側にある組織ですが、血管がないので血が出ることはありません。

次に水晶体の表面を覆っている前嚢を半径約4~5mmの円形に切り取ります。

この部分から超音波を発する機械を使って、小さな粒になるまで水晶体を細かく砕きながら吸引します。

最後に眼内レンズを入れます。レンズは折りたたんだ状態で挿入しますが、目の中で自然に開いて固定されます。

切開からレンズ装着まで、特に問題がなければ手術時間は10~15分程度で終了します。

手術日当日に帰宅することが可能で、入院が必要な場合はほとんどありません。


Q:繊細な技術が必要とされるけれど、安全性の高い手術なのですね。

A:従来は金属製のメスを使って手術していましたが、当院で行っているフェムトセカンドレーザー手術ではメスを使わず、熱エネルギーを応用したレーザーで組織を切っています。

白内障手術で特に重要な工程となるのは、濁った水晶体を取り出して眼内レンズを挿入する窓を作る水晶体前嚢切開なのですが、レーザーだと外側の角膜を切る前に前嚢の切開が可能なので、より正確な切開が可能です。

また水晶体が真っ白になるほど進行している場合でも安全な手術が行いやすくなりますし、水晶体が硬くなっている場合もレーザーで砕くことができます。


Q:手術は安心して受けられそうです。術後の注意はありますか?

A:白内障手術後の日常生活においては、傷口から細菌感染しないように目のまわりを清潔に保つように気をつけてください。

当日の入浴はシャワーのみとして、洗顔や洗髪、化粧などの時期については医師に相談し、許可が出るまで控えるようにしましょう。

汚れた手で目に触ったり、目を強く押したりこすったり、アイメイクなども避けてください。

目に衝撃を与えるようなことがあると傷口が開いてしまう恐れもあるので、注意が必要です。

手術後1~2か月は点眼薬で、炎症を抑え感染を予防します。

医師の指示どおり正しく使用してください。飲酒は、術後1週間程度は避けた方がいいでしょう。

手術後に目がかすむ、涙が出る、目がゴロゴロなどの症状が出る場合もありますが、数日から1~2週間ほどで回復することがほとんどです。

角膜のむくみや虹彩の炎症、眼圧の上昇などがある方もいらっしゃいますが、これらも1週間程度で落ち着いてきます。

経過に不安がある場合は医師に相談してください。

目を使うことに特に問題ありません。

しかし患者様のなかには、よく見えるようになってうれしくてつい長時間テレビを観たりパソコンに向かってしまったという方もいらっしゃいますが、あまり目が疲れないように気をつけましょう。

特に注意したいのは、眼球内に細菌が入り込んだことで発症する眼内炎です。

治療しないと失明につながるリスクもある病気なので、急激な視力低下や充血、激しい痛みなどの症状が現れたら、すぐに受診してください。

また手術後2週間~1か月後頃に網膜の毛細血管の障害で網膜の中心部分がむくむ黄斑浮腫が起きることもあります。

自然に治る場合もありますが、原因によっては薬物治療を行います。

また手術をしてから1~2年後に、再び目のかすみが現れることがあります。

これは後発白内障と呼ばれ、手術を受けた患者さんの1~3割に起こると言われています。

手術で挿入した眼内レンズの後ろ側が濁ってくることが原因なので、その部分をレーザーで切り取れば簡単に治療できます。

ただし糖尿病による網膜症の進行など他の原因で目のかすみが起きている可能性もあるので、見え方に濁りを感じる、遠くが見えにくいなどの自覚症状があれば、眼科を受診するようにしてください。

監修医師 山﨑 健一朗

院長紹介

院長資格

  • 日本眼科学会認定 眼科専門医
  • 日本で初めてフェムトセカンドレーザー白内障手術を開始
  • 2017年 著書「人生が変わる白内障手術」出版
  • 多焦点眼内レンズ使用症例を4,958件以上
  • フェムトセカンドレーザー白内障手術4,752件以上
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