網膜裂孔とは
網膜裂孔は、網膜の変性や萎縮によって生じる萎縮性円孔と、網膜が硝子体に癒着するために引っ張られる牽引性裂孔に分けられます。進行することで網膜剥離を引き起こすことがあるため、早期に適切な治療をすることが重要です。
網膜裂孔の治療
網膜剥離への進行を防ぐためには、網膜裂孔(網膜の破れ目)の治療を行うことが重要です。網膜裂孔が自然に治ることはありませんが、硝子体の変性がほとんどみられなくて、かつ若い患者様の円孔(網膜に穴が開く疾患)の場合は、治療しなくても網膜剥離にまで至らないこともあります。
一方で、牽引性裂孔になった患者様の場合は、まず網膜剥離が起こってしまいます。ただし網膜裂孔や円孔のみで、かつ網膜剥離まで進行していない段階でしたら、レーザー治療(網膜光凝固)を受けることで、網膜剥離を防げる可能性は高くなります。
レーザー治療(網膜光凝固)は目薬による麻酔をした後に、専用のコンタクトレンズを装着してから行います。網膜の剥離を防ぐために、網膜円孔・裂孔周囲の網膜にレーザーをあてて凝固していきます。治療は1回につき10分ほどで終わりますが、患者様の状態によっては、治療を複数回受けていただくことがあります。また、治療時には痛みを伴うこともあります。
もし、網膜が硝子体に強く引っ張られた時には、光凝固を行っても網膜が剥離してしまう恐れがあります。網膜剥離が起こった場合は、手術を受けていただく必要があります。