レーザー白内障手術で出来ること
いままで白内障手術は眼科医が自らの目で見ながら自らの手でメスなどを使って切開を行っていました。
フェムトセカンドレーザーを使用したレーザー白内障手術は、光干渉断層計(OCT)という器機で目の構造を1000分の1ミリメートル単位で計測し、フェムトセカンドレーザーで切開する手術です。このようなレーザー白内障手術のレーザー技術的の特徴は主に下記のような内容です。
- フェムトセカンドレーザーは毎秒何万回ものレーザーを照射し、組織の結合部分を切断し、連続的に組織を切開できる。
- レーザー白内障手術では切開の深さや大きさ、位置を精密に設定し行うことができる。
- レーザー白内障手術では従来の白内障手術ではできなかった様々なタイプの切開が可能になる。
日本で最初のフェムトセカンドレーザーを用いたレーザー白内障手術は、2012年6月に大宮七里眼科の山﨑健一朗院長によって行われました。
最新の技術を用いたメスを使わないレーザー白内障手術は、従来の手術では不可能であった形状の創口を作成し、正確で精密な手術を行うことが可能になりました。
- 位置、深さ、大きさについてミクロン単位の正確な手術が可能。
- フェムトセカンドレーザーにより水晶体を砕くため眼内で使用する超音波の使用量が最小限ですむ。
- メスでは不可能な形の切開がレーザーでは正確な位置、大きさで作成可能。
このようなレーザー技術を用いてレーザー白内障手術では、「角膜切開」、「水晶体前嚢切開」、「水晶体分割」、「超音波乳化吸引」、「眼内レンズ挿入」という白内障手術の行程の中で、もっとも重要な行程をレーザーによって行います。
角膜切開
従来の白内障手術でメスによって行われていた角膜切開を、レーザー白内障手術では厳密にコントロールされたレーザーで安全でスピーディー行うことができます。
水晶体前嚢切開
従来の白内障手術で医師が自らの手で器具を操作していた行程を、レーザー白内障手術では正確な真円を作ることができます。これにより、術後の眼内レンズの位置固定を正確に行うことができます。
水晶体分割 / 音波乳化吸引
従来の白内障手術では、超音波乳化吸引装置を用いて濁った水晶体の破砕を行いますが、レーザー白内障手術では事前に水晶体の断片化を行うことで超音波による眼組織へのダメージを大幅に軽減できます。従来の白内障手術と比較して、レーザー白内障手術は43%の超音波パワーを削減し、51%の超音波時間を削減できます。
このようにレーザー白内障手術は、眼への負担を軽減することができるため、かつて成功率が比較的低かったような非常に手術の難易度が高い進行した白内障に対しても、従来の眼科医の手による白内障手術に比べてより安全に行うことが可能になります。