Q:私は視界が白く見えることがないので、白内障ではないですよね?
A:多くの方が信じている誤った知識の一つに、「白内障になると白く見える」という誤解があります。
白内障になっても視界が白く見えるということはありません。
白内障で手術を受けた方々が眼科を受診するきっかけとなる症状のうち、もっとも多いのは「見えにくさ」です。具体的には車の運転が見にくい、文字が読みにくい、などです。
意外にも、「見えにくさ」と同じくらい頻度の高い白内障の症状が「まぶしさ」です。
夜、車の運転をしていて、対向車のヘッドライトがやけにまぶしく見えても、「あれは対向車がライトを上げているのだろう」と考えてやり過ごしてしまう方がいます。
ところが、すれ違う車のライトがすべてまぶしいので、相手のせいではなく、自分の見え方のせいですべてのライトがまぶしくなっていたことに気づいて眼科を受診される場合があります。
また、白内障の進行度合いと自覚症状は必ずしも一致しません。つまり自覚症状があまりなくても、白内障が進行していることがあります。
白内障と診断された患者さんが、よく口にするのは「まぶしさ」です。夜、車の運転をしていて、対向車のヘッドライトがやけにまぶしく見えても、「あれは対向車がライトを上げているのだろう」と考える人がいます。ところが、すれ違う車のライトがすべてまぶしいので、相手のせいではなく、自分の見え方のせいですべてのライトがまぶしくなっていたことに気づくのです。
そのほかに、快晴の日にゴルフ場に行くとまぶしくてプレーがしにくい、洗濯物を干す時に外に出たらかなりまぶしさを感じた、などの症状が多く見られます。
Q:ここ数年のあいだ見にくさを感じていますが日常生活はできます。眼科を受診すべきでしょうか?
A:白内障の進行度合いと自覚症状は必ずしも一致しません。つまり自覚症状があまりなくても、白内障が進行していることがあります。
最も代表的な白内障の症状はもちろん「見にくさ」、つまり視力低下ですが、では「見にくさ」を感じなければ白内障ではないかというと、そういうわけではありません。
目の中でレンズの役割を果たす水晶体は、焦点を変化させることで見る距離の焦点を合わせます。このピントを合わせる機能を調節力と言います。調節力は加齢に伴って次第に低下します。これがいわゆる「老眼」です。
老眼の症状はさまざまです。例えば、以前より手元の文字が見づらくなった、あるいは若いことよりも遠くも手元もすべての距離が見づらくなった、いままでのメガネをかけると以前は見えていた手元が見えない、などです。
これらは、白内障でも起こりうる症状です。つまり老眼のような症状があった場合に、白内障の進行によってその症状を自覚している場合があります。テレビが見づらくなった、車の運転をしていて標識や信号が見にくくなった、など視力の低下を感じたとき、それが老眼からきているのか、それとも白内障のせいなのか、さらには他の病気からきているのか、自分で判断することはなかなかできません。なぜなら見え方が不自由となる原因は、白内障と老眼の双方の組み合わせによる相乗効果の結果だからです。
見え方が悪いのでメガネを作ろうとメガネ屋さんに言ったら、メガネをかけても視力が出ないので眼科を受診するよう言われることがあります。それはこのような理由からです。
実際に大宮七里眼科でもメガネ屋さんから眼科受診を勧められた方を診察することが多々ありますが、大半が白内障などの病気となっています。
むしろ視力低下によって日常生活に支障が出るほどの状態になった場合、治療が困難となるほどの病気の進行となっていることがあります。
従って、このような場合には日常生活ができない程の症状がなくても眼科を受診することを強くお勧めします。
“(以上、山﨑健一朗著「人生が変わる白内障手術」から抜粋、一部改定)