正しい目薬の差し方とは?1回で上手に差せるちょっとしたコツも紹介
院長 山﨑 健一朗
院長プロフィール
- 日本眼科学会認定 眼科専門医
- 日本で初めてフェムトセカンドレーザー
白内障手術を開始 - 2017年 著書「人生が変わる白内障手術」出版
- 多焦点眼内レンズ使用症例を4,958件以上
- フェムトセカンドレーザー白内障手術4,752件以上
目薬は、乾燥や充血、アレルギー症状などの改善に役立つ身近なケア方法ですが、正しい方法で点眼しなければ十分な効果を得られないことがあります。この記事では、目薬の正しい差し方と手順、使用時の注意点、点眼が苦手なときの工夫について詳しく解説します。毎日の点眼を安心して行うための参考にしていただければ幸いです。
目薬の差し方・手順
Step.1 手をきれいに洗う
目薬を正しく使うためには、点眼前に手を清潔にしておくことが大切です。まず、石けんと流水で手をよく洗い、清潔な状態に整えてから点眼を行ってください。手指の汚れや細菌が目に入ると、結膜炎などの感染症を招く可能性があります。
Step.2 下まぶたを狙って点眼する
処方された目薬の中には、使用前に容器をよく振って薬液を均一にする必要があるものがあります。その場合はキャップを閉じたまましっかり振ってください。次に、顔を上に向けて天井を見上げる姿勢をとります。片方の手で下まぶたを軽く引き下げ、もう一方の手で容器を目の真上に構えましょう。下まぶたの部分を狙って、1滴をゆっくり落とすように点眼します。
Step.3 目を閉じて薬液をなじませる
点眼したあとは、まぶたをそっと閉じて目頭を軽く押さえ、1〜5分ほどそのままにして薬液を浸透させます。薬液があふれてしまったときは、清潔なティッシュでやさしく拭き取りましょう。また、点眼後にまばたきを繰り返すと、せっかく入った薬液が流れ出てしまうため、目を静かに閉じておくことが重要です。
目薬使用の注意点
容器の先が目やまつ毛に触れないようにする
点眼するときは、容器の先端が目やまぶた、まつげに触れないように注意し、目薬を清潔に保ちましょう。もし使用者が結膜炎などの感染症にかかっている場合、容器を通じて他の方に感染が広がる恐れがあります。そのため、目薬を他人と共用しないことも重要です。
用法・用量を守って使用する
目薬は効果を期待して何滴もさしたくなることがありますが、必ず決められた用法・用量を守りましょう。目に入る薬液の量は1滴で十分であり、それ以上さすとあふれてしまいます。流れ出た薬液が目のまわりにつくと、かぶれや色素沈着の原因になることがあります。点眼後に薬液があふれた場合は、清潔なティッシュでやさしく拭き取ってください。また、目薬は一日に使用できる回数があらかじめ決められており、商品や薬の種類によって異なります。市販の目薬を使う場合は、必ずパッケージや説明書に記載された用法・用量を確認してください。病院で処方された目薬については、医師や薬剤師の指示に従って正しい回数を守ることが大切です。
使用期限を守る
目薬の容器や外箱に記載されている「使用期限」は未開封で保存した場合の期限を示しています。市販の目薬は、開封後は3ヵ月以内を目安に使い切りましょう。残っていても雑菌が混入して感染の原因となることがあるため、期限を過ぎたものは使用せず処分してください。さらに、開封後3ヵ月以内であっても、薬液が変色していたり、濁りや異物が見られる場合は使用を中止する必要があります。処方薬については開封後の使用期限が薬によって異なるため、必ず医師や薬剤師の指示に従ってください。
複数の目薬は使用間隔や順番を守って使用する
複数の目薬を使うときは、必ず使用間隔と順番を守って使用してください。市販の目薬を2種類以上使用する場合は、少なくとも5分以上あけてから次の点眼を行うことが大切です。同じ成分を含む市販薬の併用は避け、必要な場合は薬剤師や登録販売者に相談しましょう。処方された目薬を複数使うときには、薬の種類によって次の点眼までの時間をあける必要がある場合があります。処方薬と市販薬を併用する場合も含め、必ず医師や薬剤師の指示に従ってください。また、点眼の「順番」にも注意が必要です。医師は薬の性質に合わせて順番を指示することがあります。一般的には「水溶性点眼液」 → 「懸濁性点眼液」 → 「ゲル化点眼液」 → 「眼軟膏」の順に使用すると、薬の効果がよりしっかり発揮されます。
コンタクトレンズの適用を確認する
コンタクトレンズの種類によっては、装着したまま使用できる目薬と、必ず外してから使うべき目薬があります。市販の目薬を選ぶ際には、必ずパッケージを確認してください。「コンタクト専用」や「装着中に使用可能」と明記されていない目薬は、コンタクトを外してから点眼しましょう。その場合は、点眼後に5分ほど間隔をあけてからコンタクトを再装着してください。処方薬の場合は、必ず医師や薬剤師の指示に従うことが大切です。
目薬を差すのが苦手な方へ
目薬をさすときに「思わず目を閉じてしまう」など、点眼が苦手な方も多いでしょう。そうしたときには、手軽に実践できる「げんこつ法」が役立ちます。それでもうまく点眼できない場合には、点眼補助具を活用する方法もあります。
げんこつ法(こぶしを使った方法)
げんこつ法とは、げんこつを下まぶたに当て、その上に目薬を持った手をのせて点眼する方法です。利き手にキャップを外した目薬を持ち、反対の手で親指を内側に入れてげんこつを作ります。そのげんこつの親指側を下まぶたに軽く当てて少し引き下げ、目薬を持った手をその上にのせて安定させます。最後に容器を軽く押して1滴を点眼すれば、狙いやすく手元もぶれにくいため、1回でしっかり点眼できる可能性が高まります。
点眼補助具の使用
目薬の容器を安定させにくく、うまく目に点眼できない方には、「点眼補助具」と呼ばれる器具がおすすめです。これは一部の処方薬に対応して市販されており、容器を固定することで正しい位置に点眼しやすくなるようサポートしてくれます。点眼補助具を使うと、点眼が苦手な方や高齢の方でも手元がぶれにくく、安心して目薬を使えます。少ない力でも薬液を出せるよう工夫されており、幅広い年代の方に扱いやすいように設計されています。ただし、補助具にはさまざまな種類があり、すべての目薬に適合するわけではありません。手持ちの薬に対応しているか分からない場合は、薬局で薬剤師に相談するか、製造メーカーに確認するようにしてください。
